中卒引きこもり精神疾患持ちでも人生を変えたい!!

かつて漫画家を志した現役の引きこもり(精神疾患あり)。病状の悪化により高校を中退。漫画のノウハウや、自らの半生を綴る。

小話:銭湯で893とトラブった話

これは僕が中学生の時の話だ。

 
その日、僕は母方のお婆ちゃんのうちに泊まり掛けで遊びに来ていた。
 
当時の僕はスマホも持っていなければ、
向こうにはゲームもなく、
僕が読むような本もない。

 

お婆ちゃん達は
テレビも民放は見ない主義だったので
僕は何もすることがなかった。
 
そんな僕を見かねたお爺ちゃんに
「風呂行くぞ」と声をかけられた。
お婆ちゃんのうちの近くには
昔ながらの銭湯があった。
下町情緒溢れるその銭湯の雰囲気が
僕は存外好きだったので快諾した。
 
そこから小一時間湯船に浸かり、
のぼせたお爺ちゃんを支えつつ出てきた。
(銭湯が舞台の話なのに湯船の描写は省略)
 
お爺ちゃんは扇風機にあたってくると
向こうへ行ってしまった。
僕も少ししんどかったので
コーヒー牛乳でも飲みながらジャンプでも読むか、と雑誌に手を伸ばした。
 
その時だ。
 
パシッ・・・
 
と誰かの手が触れた。
その人は僕と同じタイミングで
数ある雑誌の中から僕と同じ本に手をかけたのだ。
 
恋愛小説でよくあるシチュエーション、
まさにボーイミーツガール、
全く分からないが「君の名は」も
こんな感じだったんじゃないだろうか?
 
こっ、
これは間違いなく僕の運命の人だ。
一体・・・一体どんな人が!!?
僕はおそるおそる顔をあげた。
 
 
オッサンデアル。
 
ゴリゴリのオッサンである。
ゴリじゃない

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ゴリゴリである。
いかついオッサンである。
 
少し考えてみれば分かる話だ。
ここは男湯、女性はいない。
思春期の僕はあまりにも愚かだった。
 
しかもそのオッサン・・・
いやオジサンをよく見ると
腕と背中に入れ墨がある。
龍が背中を駆け登っている。
 
よく見ると腕にも所々
火傷の跡?らしきものもある。
(やばい、これは明らかに堅気じゃない
こっ、殺される!!!
((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル)
 
弱冠13歳の僕は本気で死を覚悟した。
 
しかし、それは杞憂だった。
 
オジサン、いやオニイサンは
僕にジャンプを譲ってくれたのだ。
遠慮するのもかえって恐ろしく
僕はこわごわ受け取り、
雑誌にのめり込む素振りを見せた。
もちろん内容など頭に入ってこない。
 
オニイサン「どれや」
僕「?!!!?」ビクッ
「なっ、何がですか?
オニイサン「どれ読むんや聞いとんねん、どれや?」
僕「えっ!?あ~~、いやぁー、そのー
ワンピースかNARUTOでも読もうかなぁなんて思っていた所ですハハハ」
オニイサン「そうか」
僕(怖ぇぇ、聞き方が怖ぇし距離近ぇ)
 
このときオニイサンは
同じソファで僕の隣に座っていた。
ほぼ0距離、
これは既に言葉のやり取りではない。
命のやり取り!!
 
緊迫感溢れるその光景は
さながらマフィア映画のワンシーン。
気分はゴッドファーザーである。
 
(ファザーと言えばビックダディこと
林下清志さん、最近また話題になってるみたいだけどあなた一体どこへ向かってしまうの?)
 
そこからしばらくしてオニイサンは
立ち去り、お爺ちゃんものぼせが回復したので「そろそろ帰ろうか」と言った
その時。
 
ふとさっきまでいたソファを見ると
オニイサンがジャンプを読んでいた。
僕(あ、まだ帰ってなかったんだ!)
と心の中で思いつつ、あのオニイサンは何を読んでいるんだろうと無性に気になった。

眉間にシワを寄せ、ゴルゴ13さながらの表情で一体何を?
 
さっきの質問のこともあり、
怖さより好奇心が勝った僕は
さりげなく後ろを通り何を読んでいるのか見てみた。
 
トラブルデアル。
 
To LOVEるである。
 
これ以上は何もいうまい。
そこにあった事実を述べただけだ。
ただ一つ僕から言えることがあるとすればオニイサン・・・
いやオッチャンは男の中の男だ。
 
これが僕が中学生の時、
893と銭湯でトラブった話である。